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「花のズボラ飯」感想〜明日も元気にご飯を食べよう〜

花のズボラ飯

花のズボラ飯

孤独のグルメ」「中学生日記」でお馴染みの久住昌之氏原作、ネットで話題沸騰(ってチラシにあった)の水沢悦子先生作画の作品「花のズボラ飯」(秋田書店)が発売されました。
単身赴任の旦那を持つ主婦の駒沢花(30歳)が、日常生活の中でご飯を作り、食べるというホントそれだけの作品ですが、これがね!良いんですよ!
旦那さんが単身赴任の花さんの生活はタイトルにもある通りかなりズボラで、主に部屋の描写なんか相当酷いアレ。家で旦那を思ってグダグダしたり、本屋でバイトしたりダイエットのためにプールに通ったりと、身の回りの生活はそれなりに色とりどりなのですが、やはりその中心にあるのはご飯!
「ズボラ飯」っていうように、決して凝ったレシピではない(料理をしない自分でも作れんじゃね?くらいの軽さ)ですが、花さんの魅力はなんというか、「顔」で食べるのですね。



ハイテンション&バカっぽい!けどカワイイ!!
とにかく何でもエロい美味しそうな表情で食べる花さんは必見です。読み手の空腹時には中々の破壊力。
・女版「孤独のグルメ」?
原作者が久住昌之氏ということもあり、マンガのオビにも、女版「孤独のグルメ」と書いてあるのですが、なんというか個人的には、あんまり「孤独のグルメ」という作品の印象に引っ張られて読むのもどうかな〜?と思うところもあったりします。あくまで個人的には。
孤独のグルメ」は輸入雑貨の貿易商を生業にしている中年独身貴族の井之頭五郎が出先でご飯を食べるというただそれだけの作品ですが、独特の雰囲気と料理描写で、ネットでは中々カルト的な人気がありますね。
この作品には様々な名言がありますが、作品としての中心部分にあると思われるのはこの台詞。


モノを食べる時はね 誰にも邪魔されず自由で なんというか 
救われてなきゃあダメなんだ
独りで静かで 豊かで・・・

折角ご飯を食べにお店に入ったのに、目の前のカウンターでバイトの留学生を怒鳴り散らし、客を不愉快にさせる店長に対してキレたゴローちゃんのセリフです。
このセリフのように「孤独のグルメ」という作品は、「メシを食う自分」というものが中心にあり、そこから話が展開していく作品であります。ゴローちゃんは美味しいモノは美味しいという人間ですが、基本的にクール&ハードボイルドであり、物語の多くの台詞がモノローグで構成されています。
対して本作品の主人公である花さんというのは、基本的にハイテンション&過剰にエロイ激しいアクションを繰り広げるので、「孤独のグルメ」の空気感に慣れている人は、その辺のギャップはちょいと大きいと思います。
また、「ズボラ飯」の花さんは基本的に自炊であり(ピザ頼んだりもするけど)、料理を「作る」という過程が結構大きいのもポイント。ゴローちゃんと食事が一回限りの「外食」という関係なのに対して、花さんは主婦なので当然食事も生活の中に位置づけられているし、単身赴任の旦那さん(ゴロさん)をはじめ、他者との関係が結構濃厚。ある意味、正反対の作品と言えるかも知れません。

・とはいえ
というものの、やはり原作者が同じなだけあり、その根底にある「メシはそれ単体だけで味わうものではなく、そこまで行き着くストーリーを含めてメシを食うことなんだ!」という久住氏の思いはガンガン伝わってきます。よくあるグルメ漫画(料理で勝負!とか、料理で問題解決!みたいなの)とは一線を画すような料理に対する姿勢は必見です。
そして何よりも花さんの存在が一番魅力的。アホっぽい所しか紹介出来てませんが(実際アホっぽいけど)、日常の中で感じる細かい喜怒哀楽の描写や軽いダジャレ、何より旦那さん(ゴロさん)に対してのラブ溢れっぷりはニヤニヤすること請け合いです。

というわけで最後は皆さんご一緒に!