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ガールズジャンプvol.2感想〜それは恋だったり恋じゃなかったり〜

girls jump (ガールズジャンプ) 2012 2012年 03月号 [雑誌]

girls jump (ガールズジャンプ) 2012 2012年 03月号 [雑誌]

gジャンプ?ガールズジャンプ?「G」は大文字?それとも小文字??
とにかくジャンプ改特別編集「girls Jump 2012」を読みましたー。どの作品もガッツリと楽しめるレベルの高い作品なので、いやもう買え!読め!!という感じですが、ネタバレを避けつつ感想をちょいちょい書いてみようかと。

「ガールズジャンプ」という名前の通り、全員女性作家のマンガによって誌面が構成されています。女性作家=女の子が主役の恋愛マンガが多いんかなーとぼんやり考えてしまいますが、良い意味でそんな思い込みを打ち砕くカオスな誌面となっております。
勿論女の子が主人公の作品が多いけれど、一口に「女の子」といっても幅があるし。
勿論恋愛マンガは多いけれど、「恋」なのか、はたまた別の「何か」なのか幅があるし。
勿論女性作家が多いけれど、明らか1人場違いな人がいるし。
クールな雰囲気を湛えた作品もあれば、熱量に溢れた作品も。
頭の中をかき乱すような作品もあれば、クッソ頭の悪い(褒め言葉)作品も。
掲載されている作家名だけでもグッとくる人が多いと思いますが、そんな作家たちが腕によりをかけて描いた作品1つ1つを堪能できる、アラカルトとも言える雑誌かと思います。

以下簡単に感想をば。


初恋ガーディアン/柏木ハルコ
女子レスリング部の先輩塚本と後輩山田。見た目は厳つく眼光も鋭い彼女たちが恋をした!渦巻く想いをエネルギーに変え、七里ヶ浜を走りぬけろ!愛する人を守りぬけ!
多種多様なGジャン作品の中でも、直球の10代学生ラブストーリーです。女子レスリング部だけど。目付き悪いけど。なんだけども、恋に目覚めてやり場の無い気持ちを爆発させる彼女たちが、次第に段々可愛く見えてくるのが何とも不思議。


笛の音は旧校舎から/月子
放課後の一時。わずかな時間をすり抜けて教室へ向かう少年。彼が出会ってしまった“先客”とは。そして彼ら2人の日常は…。
冒頭での一見しょうもない設定をフル稼働させながら、妙なドキドキと、後半の怒涛のような切なさ乱れ打ちでもって読む方の身体を抉ってくるような作品。どんでん返しや物凄いドラマが起こるわけでも無いけれども、ラストに至るまでの、2人の表情の対比がなんともグッとくるのですよ。設定を言うと一気にネタバレになるのでアレですが、個人的に「Gジャン」の中では一番な作品。


娘の家出/志村貴子
離婚した母親の別の男との再婚を機に、父親が住む場所まで家出した娘。「しばらくここで暮らす」と語る彼女と、父親と、父親の交際相手との生活はゆるゆると流れていく。
これも設定がネタバレみたいなもんであまり色々と言えないのですが、クールで優しいながらも、時に容赦なく残酷な描写は流石の志村先生。シリアスさと妙な気楽さが同居した雰囲気はGジャン随一かと。これも主人公と周りの人たちの表情の差異が印象的な作品です。


早春狂想曲/秀良子
地味で眼鏡な中学2年の女の子。常に無愛想で1人でいる彼女の中には、かつて「一緒に生まれ変わる」ことを誓ったリアリストの騎士とロマンチストの姫が宿っている。そんな彼女がある時気づいた感情は、恋なのか。それとも何なのか…。
中二病?いやいやホントに転生?なのかどうかは置いとくにしても、周囲から隔絶し、ひたすら自らの世界を作り上げていた少女が、恐る恐る、時に激しく外の世界へ歩き出す瞬間を描いた作品。これも常に無表情な主人公と2人の騎士と姫の対比、クライマックスのシーンが印象的なのですよ。


孤食ロボット/岩岡ヒサエ
1人暮らしの30歳OLの元に送られてきた謎の小包。飲み屋のポイントと引き換えたプレゼントは、顧客の食事をサポートするアンドロイドだった。料理が苦手なOLとアンドロイドのお試し期間は1週間。忙しい仕事とプライベートの中で、アンドロイドは何を見る…。
基本三白眼で目付きが悪いかつ、つっけんどんな態度の主人公がグー。「目付きの悪い女の子」好きマンガ読みは絶対に読むべき。女の子ってんでもないけど。可愛くて甲斐甲斐しくも、実は結構したたかなアンドロイドの描写も中々良いもんです。


魚は空の夢を見る/安堂維子里
土が動物を拒絶するアレルギーが観測されて10年余り。東京の土壌浄化を行う巨大な塔、通称「東京大水槽」のメンテナンス要員として地方から派遣された女性。巨大な塔を整備する中で、「水槽の中に行ってしまった」前任者の話を耳にした彼女は、やがて奇妙な男と出会う。
SF的な世界観とファンタジーな香りもする展開を持ちつつも、「仕事」というか自らの「覚悟」と向き合っていく主人公の姿がグッと来ます。


ジャンプ改」の特別編集ということで、次がいつ出るのかはちょっと分かりませんが、まぁ気長に待ちたいと思います。
でもって、近い内に、ここで新たに名前を知った人の作品も買おうかなーと思う次第。新たな作家の作品との出会いがあるっていう点でも、雑誌って形式は良いですね。こちらにラインナップ紹介や作家の方のメッセージなんぞもあるので、そちらも是非。