犬の帰宅

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COMITIA114新刊感想/panpanya『猯』

山で山菜を取っていたある日のこと。
足を怪我した動物を助けた「私」は、助けた動物『猯』に懐かれてしまう。

幾度山に戻しても、次の日には帰ってくる動物たち。
彼らをどうにか山に戻すために、「私」と保健所の男は手を変え品を変え対策するが…。

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panpanyaさんのコミティア114新刊、「猯」を読みました。

いつもの少女。いつもの謎動物。いつもの潜水艦男。安心感すらある(ホントかよ)相変わらずの描き込みと、キャラクターの異様なシンプルさ。2011年頃に描かれた作品だそうですが、唯一無二の雰囲気とインパクトは完全に自家薬籠中といった感じ。

ある意味いつも通りのpanpanya作品とも言えますが、今作の魅力は醒めたようで、やたらとメチャメチャな異様なテンション。
家中を埋め尽くす猯や、動物捨て機を始めとする謎道具。
そして、夜の住宅街を舞台に繰り広げられるクライマックスシーン。
さながら白昼夢のような読後感に満ちています。

舞台は真夜中、かつ混沌に満ちたシーンにも関わらず、なんだか落ち着いたような感じ。
悲壮感は皆無で、どこか軽妙というかコミカルな印象を受けるのも、魅力の一つというか。

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黒丸の目に棒線の口で描かれる、謎生物こと猯。
他の作品でも姿を変えて(イルカやカエルや)出てくるのですが、今回はいつもにも増して可愛く見えるのも不思議です。
何を考えてるか分からない表情にも関わらず、やたら分かりやすい動きのせいか。
そんなに口を開かないにも関わらず、何かを小声で叫んでるような描写のせいか。
その辺りも妙にツボにハマる一作。

楽園web増刊の方では、本作の発展形である「狢」も読めます。
合わせて読むとまた色々と面白いかと。
COMIC ZINのサイトでは通販もやっているそうです。