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COMITIA114新刊感想/はいあかむらさき『東京発9時32分 かがやき507号 金沢行き』

COMITIA114新刊/東京発9時32分かがやき507号金沢行 by 土岐つばめ on pixiv


三十路半ばのハロオタの男2人。
飲み会での会話の流れから、2人で金沢旅行に出掛けることに。
現地の名所や名産をひたすら楽しむ、一泊二日の小旅行記。

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はいあかむらさきさんのコミティア114新刊、「東京発9時32分 かがやき507号 金沢行き」を読みました。タイトルの通り、男性2人が新幹線に乗って金沢へ向かい、観光するというお話。
それだけなのに異様に面白いという一作です。

例えば、牡蠣やウニの食べ歩きや、カフェの甘味や、ホテルの夕ごはん。
例えば、金沢駅のデカさや、お茶屋さんの瀟洒な内装や、兼六園の眺望。
それら1つ1つを全力で楽しんでいる姿に、読んでいる側まで楽しくなってくる。

「良さ」を感じる内にも、色々な感情や心の動きがあります。
歴史を感じる茶屋町の風情にしんみり感じ入ったり、
駅前の噴水時計にエラいツボに入ったり、
史跡や城跡が今の時代にまで残っていることを冷静に考えてみたり。
観光であれ何であれ、色んな「良いな」があるわけですが、それぞれに対しての感情や表情の描き分けが、非常に丁寧なのもまた魅力的。

一方、男2人という状況から、まさかカップルに間違われているんじゃあるまいかと、お店の人の一言に若干過敏になったり。
はたまた旅館でつんく♂の病気の報道についてハロヲタ故の視点から独りごちてみたり。
とにかく色んなものに対して色々思っては仲良くくっちゃべっている。
歳相応の落ち着きもどっかにありつつも、全力ではしゃいじゃうという関係性が羨ましくも楽しい。

単純に金沢に行ってみたい!という想いがモリモリ湧く観光ガイドとしてもとても楽しいし、男2人のなんとも言えない関係性とワチャワチャした会話を眺めているんでも楽しい。
そんな盛りだくさんかつ贅沢な一作です。

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COMIC ZINにて既刊も含めて発売中です。
過去作では「蛇」なんかも全然テイストは異なりますが、とても熱い作品なのでオススメです。