踵を踊らせて

コンマ打つときにコツがいるのよ

2022/07/18_君たちはどうイキり散らかすか

・ネットで図書館の話がバズってたけれど、それとは関係なしに市の図書館の貸出カードを作った。ぶっちゃけ部屋に積んでる本が大量にあるので借りることはそんなにないと思うけれど、色々調べものをするにあたって、まずは自治体の図書館に行くのが常道だよな…と思ったので。

・PCにメモを取りたいぜ~と思ったものの、バズっていた話と同様に閲覧スペースが限られているが故に順番待ちというか、本を読みながら席が空くのをチラチラと待つ感じに。結果的には必要な部分は読めたけれど、借りて家に持って帰って読めと言われたらそれはその通りだなと思う。

・でもまぁなんだかんだ図書館っていっぱい本があるし、そもそも土日も運営されてるのってシンプルに凄い気がする。自分が小さい頃は日曜日は休みだった気がするし(違うかも)。もっと働いている人の給料とか上げてくれ~労働環境も良いものであってくれ~と思ってしまうな。

・時期的なこともあって夏休みの作文とか課題図書のコーナーなんかもあったけれど、小学生の頃って「課題図書」的に大人からこれを読めやと押し付けられることが癪に障るというか、反発していたところがあった。「こちとらお前らが思ってるよか文字読めるんじゃい!」みたいな。「青い鳥文庫」なんかもそうだけれど、子供向けに文章をリライトしているようなところに反感を覚えていて、例えば芥川の「蜘蛛の糸」なんかを読む機会があった時は、あえて新潮文庫のバージョンをこれ見よがしに先生の前で読むことで違いをアピールしてくるような子供だった。イヤ~なの。

・小5か小6くらいの時に、学校のクラス内に宗田理の「ぼくら」シリーズがブームになった時期があって、今にして思うとなんて健全な空気なんだ…と感じ入ってしまうけれど、当時の私はお前たちがそうくるならオレは赤川次郎だ! と1人で「三毛猫ホームズ」シリーズを読んでいた記憶がある。共通点角川文庫ってだけじゃん。

・ただまぁ児童文学というジャンルにおいて名作と呼ばれるものは多いわけで、そういう蓄積がないままここまで来てしまったことは勿体なかったのかな~と思わないでもない。読んだ記憶があるのは「十五少年漂流記」と「シートン動物記」くらいだけれど、細かい筋までは全然記憶にない。

・「ハリーポッター」のシリーズがワンサカ出てきたのはもう少し学年が上がってからだけど、その時点で完全に舐め腐った態度を取っていたので結局未だにに読んだことがない。映画は1、2作目のDVDが家にあって、1作目の最初の方でハリーをいじめる義実家の連中を魔法でこらしめスカッとするシーンと、2作目にハリーに対して異常に低姿勢のゴブリンみたいなのが出てきたのだけ記憶に残ってる。あのゴブリンって続きのシリーズも出てくんのかな。なんか正体もラストで明かされた気もするけれど覚えてない。

・児童文学と言えるかは微妙かもしれないけれど吉野源三郎君たちはどう生きるか」は珍しく記憶に残っている。人間分子網目の法則。ただ、内容が心に残っているというよりは、今の自分が生きているのと同じ現代日本の話だと思って読んでいたら、明らかに戦前日本であることを匂わす描写が出てきて、そこにビックリしたんだよな。

・コペルくんと叔父さんがデパートから帰るのに黒いタクシーを使っているのだとか、コペルくんの家に女中さんがいるという描写とか。時代物なら時代物として想像しながら(髷を結った男とか着物とか)読むからそうしたズレを感じることはないけれど、読んでいる最中にこれは現代日本とはちょっと違うんだ…恐らく昔の日本ってこんな感じだったんだ…と思って、そこに驚いた気がする。

・芥川だと「トロッコ」なんかはそこにある特定の時代背景を感じることはなかったし、逆に「十五少年漂流記」くらいになると19世紀のイギリスは完全に遠い話としか受け取っていなかったんだよな。時間的な距離で言えば「君たちは~」の戦前東京だって大差ないんだれど、そうした想定をしないまま読み進めたので妙に衝撃的だったのかもしれない。

・貧乏だけれど頭が良くて勇敢な豆腐屋の息子が出てくるんだけれど、その辺りの話は今読んだら結構感想が変わりそうだな~。読んだ当初は豆腐屋=貧乏人という図式があんまりよく分からなくて、ちょっと貧乏で兄妹が多いけど心根のいい子くらいのニュアンスでしか読み取っていなかったけれど、もう少し言外に意味するものがあるような気がする。そもそもコペルくんたちは現代の学制とは異なるけれど、その辺りも全然読み取れていなかった。

宮崎駿が「君たちは~」の映画化を進めているなんて話もあったけれど、時代的には「風立ちぬ」と重なるところが多いんだよな。「風立ちぬ」も食堂でサバの味噌煮食ってるシーンとか最高だったし、ジブリが描く戦前の東京の風景、ぜってぇ見て~~~!!! と思ったけれど、どうも作品をそのまま映画化するわけでもなさそうなので、もしかしたら全然見当違いの期待かもしれない。