・帰宅したらキッチンの隙間から小さな脚と尻尾がチラ見していて思わず叫んでしまった。遂に住み慣れた我が家にネズミが出たかと瞬間的に脳内で想像が膨らみまぁまぁ絶望的な気持ちになったけれど、よくよく見たらまだ体表が白いヤモリだった。換気で窓を開けた時にでも忍び込んだのか。
・しかし誇張抜きに実際に叫んだのだけれど、映画やアニメのような悲鳴ではなく、無感情な大声で「ワー!」と叫んだ感じだったのは我ながらマヌケで良かった。良かったか?流石にキッチンの中で死なれては寝覚めが悪いし、どっか変な所を齧られても困るので何とか外に出してやり、結局野外に逃してやった。
・ヤモリは「家守」に通じ家に福運を運ぶと言われているらしく、なるほど私のようなラッキーボーイにゃ相応しいぜと思いつつ、やはり幸福は自らの手で掴むもの。若いお前は広い世界で生きてこい! と見送ったものの、凍え死んだり野鳥やタヌキのエサにでもなったらどうしよう……と勝手に思い悩みもしている。自然は厳しい。
・しかし実際こんな冬真っただ中に末に変温動物が動いてられるのかねと思ったけれど、今年は11月頭なんて冷房かけられるくらい暖かかったし、ちょっと調べたらヤモリは冬眠をしないようで。
・本当に一瞬家で飼うことも頭をよぎったけれど流石にそんなスペースはなく、家の中で放し飼いにすることも出来ないし、エサにワームみたいな虫を買うのもゾッとしないので、結果的に野に放つのが正解だったんだと思う。ゲーミングPCみてえなでっけえアクアリウムに緑を植えて、その中で爬虫類を買うのに少しだけ憧れるけれど多分死ぬほど面倒くさいし電気代もエラいことになりそう。
・小学生の頃、近所でカナヘビを捕まえてガチャガチャのケースに入れて、オレのポケモンじゃいと遊んでいたら、案の定ケースの中で衰弱死してしまったことがある。幼いながらもなんてことをしてしまったのだ……と後悔し、泣きながら家の狭い庭を掘ってカナヘビの死体を埋めた。今まで云十年生きてきて、あれほど心から後悔して泣いたことは今の所ない気がする。今後それを越えることなど起こって欲しくないけれど。
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・ゲゲゲの鬼太郎の映画を見に行ってきた。面白かった。父さんの声が関智一でビビったけれど、目玉のおやじ(6期)の声は野沢雅子なので、まぁ強さ的にに対して姿形がナーフされてどっこいどっこいかもしれない。
・因習渦巻く村で引き起こされる事件、というネタを手堅くヒロイックホラーにまとめているという感じがあり、若い人が初めて見るちょっとグロテスクな表現の入門編的な意識もあるのかなと思った。PG12だし。気持ちグロいっちゃあグロい表現もあるけれど、絵がポップなのでエグすぎはしないバランス感覚。
・大枠の精神性として戦争、ひいてはそれを起こす権力に対する嫌悪感というものが静かに漲っており、『総員特攻せよ!』が読みたくなって帰りに3軒本屋さんを周ってしまった。調布の本屋さんは水木しげるとつげ義春のコーナーは1棚常に揃えておいて欲しい(ワガママ)
・しかし自分が小さい頃にこうした物語に忍び込んだ反戦的なメッセージを受け止めたらなんとな~くケッと思って流してしまった気もする。大人になって見るとどこか感じ入るのは歳を取った故か。
・それと読み解こうと思えば色んなことを読み解ける構造もあるかもしれない。血液銀行で働く戦争帰りの男の内にある野心。謎の力を生む秘薬の正体。「八墓村」オマージュな遺言執行シーン。人と妖怪の境とは……などなど。勿論、鬼太郎エピソードゼロとして楽しめるけれど、なるほど周辺知識があると色んな想像が出来るというね。
・後はもう水木と鬼太郎の父(目玉おやじ)とのやり取り。「それでもなお私を友と呼んでくれるのか」という関係よ。片方既婚者なんだけど、それ故に成り立っている思いの交わり。関係性でいうと、石田彰演じる糸目の男(マジで何!??)と一族の長女の人とのアレコレとかね。
・マンガ版『鬼太郎の誕生』を見ておくといいけれど、そこに因んだ小ネタがあるという感じなので本編の理解ができねーぜ! という話でもないので別に読まなくてもいい。けどそんな長い話じゃないから読んで欲しい。タダだし。
・↑父さんのサムネを見るだけでもホロっときちゃう。
・そんなこんなで『総員玉砕せよ!』を読みだしたけれど、水木しげるの絵はやっぱりどデカい版型で読みたいぜ! という気持ちも湧いてくる。
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・たまたま都会に出たのでちょいと奮発したろうと成城石井で細々としたモノを買ったのだけれど、お昼のオカズに買ったカニクリームコロッケ(3つで400円!)が赤ズワイガニを入れているという代物で、美味しいのは間違いないけれどカニクリームコロッケに対しては過剰な美味しさで少し引いた。